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アートフリマ考
アートフリマが、まちづくりイベントとして発展するための分析と、展望
(かきなぐり版)

■多くの人が通る場所
コミックマーケットとデザインフェスタ、をものづくりイベントの一つの完成型と、僕は見る。しかし、本来ローカルにあれば地域性や独自性から、充分に「まちづくり的」イベントであるはずのこれらは、同好の集いプラスアルファ、くらいになっており(それだけに求心力もあるけれど)、「よりおおくの、道行く人たち」のいない場所で行われている。
(僕は趣味で描いていた絵を数点、なじみの喫茶店に飾ってもらったことがあるがが、グループ展でギャラリーを借りたときよりも、「直接的ではない多くの成果」を得たと感じた。「観てほしい人」にとっては、「自分(の作品)と出会ってほしい」という、強い思いがあります。)

以前、府中のデパートの前庭(通りに面している)で行われたアートイベントを視察に行ったが、そこは道行く人たちに向けた形で店を並べるスタイルだった。
主催者は、「パリの、日曜の広場のイメージだ」といった。デパート側には「費用の掛からない賑やかし」をプレゼンしていた。とても影響を受けた。


■二人のお客さんとイベントとしての利点
イベントとしての強みは明快で、主催者が支度するものが少ない、という点。
飾るものも、タイムスケジュールも、司会者もいらない。代わりに、場のすべてを構成してくれる「出展者」というお客と、それを観る「来場者」という、二種類のお客が居る。逆に言えば、主催者は、二種類のお客様を相手にしなければならない、困難なイベントでもある。


■WEBの事情と情勢
ものづくり作家の紹介WEBは約10年前から、活発に発生/消滅している。結局は、作家が期待するのは「売り上げ」「なんらかの仕事、その可能性の発生」であり、WEBという「場」を用意したところで、それは何も役割を果たさない。コーディネーターによる積極的なマッチングや、その成果を発表するなど、人間の動きが不可欠。


■個人と公共が出会うきっかけとしてのものづくり
ある福祉施設がある。支援者500人に毎月送る広報誌、更新するサイトを持っている。その近所に、ちょっと人付き合いの苦手な、イラストの得意な子がすんでいる。
ボランティアでもなく、仕事でもなく、それをマッチングさせることができたら。


■公共施設のよい使い方としてのものづくり
ある表現者が居る。あるいはグループがある。NGOやNPOには関心はない。
しかし、地域活動につながることで、自分たちの発表の機会が得られる・・・公共施設を
使えると、知れば。NGOやNPOを識り、売り上げからドネーションをするという「手法」と出会うことで、いままで「無」であった関心が、生まれ、伝わり、関わる可能性が出る可能性がある。それをよしとしたい。
>>施設におけるコーディネーション、NPO/NGOとの仲立ちをすることが重要


■広報費と人件費
主催者側に求められるのは「空気づくり」と「イメージづくり」、そして「方向性の提示」だと思う。ネガティブな感情が生まれにくい環境・会場づくりをし、イベント全体のカラーを定義し、かつ、目的が何であるか、を言い切ることだと思う。そのため、広報費と人件費に掛ける費用について、重要と考える。
「個」の世界をそれぞれに、制限付きであれ、展開しながら、「ともに時間を共有している」ことを充分に伝えていかないと、トラブル発生の可能性は高い。主催者の「仕切り」が、従来のイベントとは違うことをよく学習すべき。


■理想の「地域ものづくりイベント」の姿
・福祉作業所の商品
・NGO等が扱う商品
・NPOが活動をPRするための商品
・イラストレーター、ライター、雑貨作家などのつくる商品
・それを目指すひとたちのつくる商品
・趣味、自己表現としてつくられる商品
・上記のようなものを体験させるワークショップなどの商品
・イベントとしてみんなで作る作品
まだまだあるが、これらをすべて「混ぜる」ことが鍵になってくる。
混ぜることで、それぞれの「ものづくり」たちの弱みは補完され、同時に
「自分の表現を成長させるための」出会いの期待も高まる。
もちろん、来場者にPRする魅力のUPにもなる。

>>混ぜていくデザイン、交流する仕組み作りが今後の最重要課題。


■それぞれのものづくり現場が抱える問題とは
「福祉まつり」「コミックマーケット」「イラスト展」「NGOショップ」などは、いずれも商品の内容と言うよりは、自分たちのスタンスの宣言をしているのであり、「客=来場者」にとって訴えるものではない。メッセージは、看板のうしろに書くべきものであり、来場者をどう処遇するかに専念する視点が大切。
だが、同好の士のみで企画すれば、主張を隠すことは困難である。混ぜることで、ちょっと俯瞰し、その客観視点をもてる。
「みんないっしょ」に、物足りなくなったとき、初めて、自分たちの看板とメッセージを前面に出せばよいのでは。
by kouichisugimoto | 2007-11-13 23:39 | 日記とか考えたこととか
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