カテゴリ:ご近所シガラミ研究所( 5 )
「正直、微妙」という表現。
新日本紀行ふたたび、というNHKの番組がある。
http://www.nhk.or.jp/archives/kikou/

昭和の日本を撮った「新日本紀行」の場所の現在の姿、という感じで、
かつての映像をひも解きながら、「ふたたび」の姿を映していくのだ。

約30年前だという、われらが下ノ谷商店街の映像を、縁あってお借りすることができた。
そこには、朝市で、人がごった返す、がんばる商店街の姿があった。

振り返って現在の下ノ谷。残る店は数件。がんばる商店街には違いないが、
比べてしまうと「昔はこんなにすごかったのだ」としか、感想の持ちようがない・・・。

いまは半分以上がマンションや建売になり、店もまばらな、商店街。

いまでも、「なつかしの・・・」といった切り口で、TVや雑誌は頻繁に来るし、
採りあげられるときに、商店主たちが「正直、微妙」という反応をする理由を
改めて知った気がする。(この表現はすばらしい。あいまいな日本語。好きだ。)

でも、若者はこの商店街の風情が、ステキだ、好きだと感じることも多いのだ。
僕も、この店の下見にきたときに、街が下町っぽい感じで気に入って契約したのだし。

でも、「かつて」を知る、商店主にとっては、「こんなになっちゃった」としか
感じようがないのだ。そらそうだ。そらそうだと、思わせるだけの迫力が、映像にあった。

でも、僕はここがすきだし、別に「残したい」「保存せねばならない」とは思わないけど、
都会に出てきた若い人が、欲しがるものがこの下ノ谷には、あると思うのだ。

あいさつや、立ち話や、もちつきや、お祭りに、「ちょっと関わりたい」と思うニーズが
あるはずだと思うのだ。

しがらみにも、心地よいポイントがあり、それはデザインできるものだと、確信している。

で、まぁ、「なんかすっか」という感じで、作戦進行中なのですが・・・。

10年の「まちの仕事」の、ひとつの答えが、出る・・・かも。


映像、お借りしているので、店で見られます。関心ある方は是非是非。
話しましょう。
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by kouichisugimoto | 2007-05-17 17:43 | ご近所シガラミ研究所
猫と新住民の折り合い。
僕が普段いる場所、(事務所兼・店)の向かいには建売が建った。
いわゆるミニ開発という奴で、のんびりした木造におばあちゃんが住んでいたが、
キレイな一戸建てが3件、たった。

下ノ谷商店街は、ひとときの役割を終え、ゆっくりと衰退しつつある。
建て替え後はみな、商店ではなく、住宅だ。
戸建のオーナーたちも、三軒茶屋徒歩圏であるし、よい買い物なのだろう。

先日、クレゾールのような匂いが、近所に充満した。
向かいのおうちが、小さな芝生を「猫トイレ」にされ、よほど頭にきたのだろう、
猫よけの薬剤を原液のまま振りまいたらしい。

通りにはすっかり猫の影が見えなくなった。

僕はこの件について、考えても考えても、まだ自分の意見がもてない。

初めて商店街に来たとき、猫がいっぱい居た。
猫の居る町は「まちの甲斐性がある」良い街だと、皆に吹聴した。

店に遊びに来る捨て猫タノヤンとも仲良くなった。

一方で、僕も含め、猫アレルギーや、猫が怖いという人の存在も
(僕のアレルギーは軽いが)気にかかった。
新居の庭をトイレにされた人は、そりゃ怒るだろう。

僕はこの街ですっかり猫好きになったが、町の猫を擁護できない。

猫の居る町は、良い町だなあとは、今でも、思うのだけど。


都会に適応して生きている動物は少ない。
カラス、ねずみ、スズメ、猫・・・あとは昆虫だろうか。

人間サマの事情は混みいってて、複雑だ。
どこかで折り合いがつけばいいのだけれど。
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by kouichisugimoto | 2006-08-16 21:02 | ご近所シガラミ研究所
ご近所と心地よく、しがらむ、感じ。(3)
ふとん屋のおばあちゃん。

夫婦でおふとん屋さん。足が痛い、といって大変そうだが、いっつもにこにこ、にこにこしている、ステキなおばあちゃんだ。

あるとき、ひょんなことから、ぬか漬けをいただいた。実家のとも、市販のとも、もちろん違う、「そこの家の味」。ああーー、すてきだぁ、と思って、皆でおいしく頂き、そのまま絶賛の感想を伝えると「いやそんなもんじゃないよ」と恥ずかしがる。でも、うれしく思ってくださったらしく、折に触れ、なんどもぬか漬けをごちそうになった。


また、彼女は僕の顔を見て、見るたびに、いい男だ!いい顔だ!とほめる。なんだかもう恥ずかしいのだけど、うれしく思って、なんだか幸せな気持になっていた。こんなコミュニケーションもあるのだ、とおもった。

ただ問題もあって、僕の「ヒゲ」が、まずいらしい(笑)。一度何の気なしにヒゲをそったら、「いやぁそのほうがいい男だ、いい顔だ」と言われて、まじめに悩んでしまった。

きっと、彼女の中では「ヒゲなど若いものの生やすものではない」ということで、「ヒゲなどないほうがいいよ」と、諭してくれていたのだろうと思う。

そしてきっと、自分の息子がヒゲを生やしたら、絶対剃らせるのだろうなー。笑

結局僕はひげを生やしているが、よい「地域の教育」を、垣間見たと思う。
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by kouichisugimoto | 2006-05-27 19:25 | ご近所シガラミ研究所
ご近所と心地よく、しがらむ、感じ。(2)
近所のおばさんは、まさに「下町かたぎ」の人。もとパン屋さん。

はじめは驚いたのです。店でみんなで遅くまでお酒飲んで騒いでたときのこと。突然僕の電話が鳴り、「何時だと思ってんダッ!!」と叱られました。

びっくりして、もちろん反省して、事なきを得たのですが、何が驚いたって、その叱り方。

下町モノのドラマでしか見たことがないような、勢いよく、キッパリさっぱり、あとくされのない叱り方。思いかえすにつけ、見事にドラマのようでした。カッコいいと思った。

その後約3年にわたり、オカズをたくさん作った、季節のおやつを作ったといっては差し入れてくださったり、こちらも煮物につかう酒を切らした、猫の餌を買い忘れたと「貸し」たり、そんなやりとりが、あります。


今日はご近所とバーベキューをしたらしく、僕が夕方現れたら、「なんだぁもう終わったわヨ!」と笑ってた。「また今度やろう」とも。なんかそういうのって、貴重な体験だ。

こっちも、考え事してても機嫌が悪くても、挨拶したりしてちょっと喋って、気がつくとカラッと気分が変わったりする。

すごいなあ。
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by kouichisugimoto | 2006-05-15 00:04 | ご近所シガラミ研究所
ご近所と心地よく、しがらむ、感じ。(1)
シガラミ、というのは、やっぱり「いやなもの」「避けたいもの」なのかな?

「まちづくり」的に表現すると、ソレが、「地域コミュニティー」を壊し、「となりの人に会ったことがないッス」な都市を生んできたということになるわけですが。

僕の拠点「カフェ下ノ谷」は、東京・三軒茶屋のエリアの「下町」に、ある。

え?と思う方もあるかもしれない。でも、TVでよく紹介され、若者が住みたい街であり、おしゃれタウンな三軒茶屋は、新旧入り乱れた雑居な感じが魅力の真髄だと思っているんです。

(もともと世田谷は、関東大震災と、戦争で人口が二倍、二倍になった街、という歴史があります。三軒茶屋は、都心から被災した人たちが商店街を作っていったという説があります)

ここで出会った方々から学んだことは多く、その中でたどり着いたのが「ここちよいシガラミ」
という表現です。

それをちょっと記録していってみたい所存です。

ちなみにもともとの僕のスペック・・・というか「生育状況」は以下のとおり。

・関東ベッドタウンの新興住宅地で育ちました。
・「商店街」というもののイメージがあまりない。買い物はスーパー。
・ご近所づきあいは、ありました。
・でも、皆同じような核家族の家ばかりで、特殊な感じ。
・たぶん、けっこう世間知らずです。
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by kouichisugimoto | 2006-05-14 23:56 | ご近所シガラミ研究所